「なんとなく貯める」をやめて、貯蓄に目標を作った話
貯蓄はしていた。でも、ゴールはなかった
一人暮らしを始める頃に家計の予算について調べ、収入の3分の1程度をひとつの目安として、先取りで貯蓄するようになりました。
だから「まったく貯蓄していなかった」というわけではありません。
ただ、今振り返ってみると、
なんとなく貯めていた。
という表現が一番近い気がします。
毎月これくらいは貯めておこう。
将来のために、お金はあった方がいい。
そんな漠然とした理由で貯蓄を続けていました。
「いつまでに、いくら貯めたいのか」
というゴールを、具体的に考えたことはありませんでした。
そのため大きな支出があるときなどには、貯蓄を取り崩すこともありました。
きっかけは「老後2,000万円問題」
そんな私が初めて具体的な金額を意識したのが、いわゆる「老後2,000万円問題」が話題になったときでした。
当時公表された金融審議会の報告書では、高齢夫婦世帯の平均的な収入と支出の差などから、老後の長い期間ではまとまった資産が必要になるという試算が示され、大きな話題になりました。(参考資料:金融庁「高齢社会における資産形成・管理」)
もちろん、老後に必要なお金が全員一律で2,000万円というわけではありません。
暮らし方も収入も年金も、人によって違います。
実際、この数字の受け取られ方については、金融庁側も後に「老後30年で2,000万円不足する」と一律に受け取られるような表現が誤解や不安を与えたと説明しています。
それでも当時の私にとって、
「2,000万円」
という具体的な数字が出てきたことには意味がありました。
自分の貯蓄について、初めてゴールを考えるきっかけになったからです。
まずは中期目標を立てた
そこで、定年までに老後資金を貯めることを一つの目標にしました。
でも、いきなり目指すのは少し遠い。
それまで、そんな金額を貯めたこともありません。
それに、時間が経てば状況も変わります。
物価も変わる。
年金を取り巻く状況も変わるかもしれない。
自分自身の暮らしだって変わります。
何十年も先まで、今決めた計画がそのまま通用するとは限りません。
だから最初に考えたのは、とても単純でした。
まずは中期目標を立てよう。
そこまで貯めることができれば、
「自分には、お金を貯め続けられる仕組みが作れている」
というひとつの確認にもなると思いました。
目標から毎月の貯蓄額を逆算
目標が決まったら、次は現在地を確認しました。
今持っている貯蓄はいくらか。
目標まで、あと何年あるのか。
そこから、毎月いくら貯蓄すれば到達できるのかを逆算しました。
ただし、目標を早く達成するために生活を切り詰めることはしませんでした。
もともと私には、収入の3分の1程度を貯蓄のひとつの目安にしていたからです。
まず、無理なく生活できる範囲を考える。
その範囲で毎月貯蓄できる金額を決める。
そして、
「このペースなら、目標まで何年かかるか」
を考える。
目標に生活を合わせるのではなく、続けられる生活から目標までの距離を測るような感覚でした。
目標ができても、無理な節約はしなかった
目標ができたからといって、急に節約中心の生活になったわけではありません。
毎月必要な貯蓄は、すでに無理なく生活できる範囲で設定しています。
だから基本的には、その金額を淡々と貯めていくだけです。
ただ、ひとつ変わったことがありました。
少しお金が余ったときや、ボーナスなどの臨時収入が入ったとき、
「ちょっと貯蓄に足しておこうかな」
と思うことが増えました。
たとえば、
「あと3万円入れたら、キリのいい金額になるな」
と思ったら、その分だけ追加してみる。
生活を削ってまで貯めるわけではありません。
余裕があるときだけ、少しゴールに近づける。
具体的な目標ができたことで、そんな小さな選択が増えました。
中期目標は「通過点」
そして、実際に中期目標に届きました。
もちろん、この数字そのものに絶対的な意味はありません。
でも私にとっては、
「ここまで貯められる仕組みを、自分で作ることができた」
という実感につながりました。
少し自信もつきました。
そして貯蓄についてある程度の自信がついたことで、
「次は投資について勉強してみよう」
と思うようになりました。
お金そのものについて知りたいことも増え、以前よりマネーリテラシーへの関心も高くなりました。
それまでの「現預金を貯める」という段階から、少しずつリスク資産も取り入れながら資産を作っていく、次の段階へ。
ひとつ目の目標を達成したことで、次の仕組みを考えられるようになったのだと思います。
目標は、自分を追い込むためではなく現在地を知るため
以前の私は、「将来のために」となんとなく貯蓄を続けていました。
それでも、お金は貯まります。
でも目標を決めたことで、
今どこにいるのか。
あとどのくらいなのか。
今のペースならいつ到達できるのか。
が分かるようになりました。
だからといって、早く到達するために今の暮らしを我慢する必要はありません。
私にとって貯蓄目標は、自分を追い込むためのノルマではなく、
無理なく続けている今の仕組みで、どこまで行けるのかを確認するための目印
なのだと思います。
暮らしや収入、社会の状況が変われば、目標も仕組みもそのときに見直せばいい。
最初から何十年先まで完璧に決めなくても、まずは少し先に目印を置いてみる。
そこまでたどり着いたら、また次の仕組みを考える。
お金の管理も、そうやって少しずつ育てていけばいいのだと思っています。
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